「刹那で忘れちゃった」

ダサい。

ジャンプの某サッカー漫画でサイコキャラっぽいのが(主人公に対して?)ドヤ顔で言ったらしいセリフ。(このコマだけ単体で見たので詳しいことは知らないけど、調べる気力がないのでゆるして。)

こういうダサさはなぜか心に響くので、ダサさの原因を突き止めることで、その理由の解明を目指そう。

 

 で、なんでダサいかというと、こういうことだと思う。

①”いつ忘れたか”は特定不可能であるため、本当に忘れていた場合、忘れるのにかかった時間を知ることはできない(”最後に覚えていた時から今まで”ならわかるが、その間のいつ忘れたかはわからない)。

②であるならば、このキャラクターは本当は忘れていないのに忘れたと嘘をついた、もしくは、いつ忘れたのかわからないにもかかわらず、わかるふりをしている。

③どちらにしても、このキャラクターは、”忘れた”ところの対象を軽視していることを示すために、「刹那」という誇張された表現まで用いてわざわざ嘘をついている。

④その嘘が明らかな論理矛盾をきたしているために、この発言は、このキャラクターが「どのような人間なのか」ではなく、「どのような人間として見てほしいのか」を雄弁に物語ってしまっている。

⑤「自分をサイコキャラとして見てほしくて頑張っちゃうサイコキャラ」ってダサい…ダサくない?

 

 つまるところ、「自己アピール頑張りすぎて空回りしてる大学デビュー君のような痛々しさ」って感じでしょうか?もしもとからダサいキャラとして描写されてるとしたら作者は天才だと思う。

 で、「チョーかっこいいキャラ」のつもりで描写したつもりが、「痛々しいワナビ」みたいになっちゃった作者に対して共感性羞恥に近い感情を覚えるのが心に響いちゃう原因かな。

 

 ただ、青春物語好きの中高年のように「青臭さ」が好きというわけではないので、まだ何かが足りないような気がするんだよね。苦行クソゲーのプレイ動画見ているのと似た感覚で、「なんでこんなにダサい/クソなんだろうなー」と考えるとワクワクしちゃうの。そういう意味で夏色ハイスクルとかRMJとかすごい良かったです。

 

おわり。ポイッ。